養老保険を途中解約すると解約返戻金がいくらになるのか、できる限り損はしたくない人は、事前によく調べてから保険を解約しなければなりません。ここでは、養老保険を途中で解約した時の解約返戻金と、適したタイミングについて徹底解説します。
養老保険は途中解約すると解約金で損する?
養老保険とは、事前に契約期間(10年・20年など)を決め、万が一の時には、死亡保障を受けられる保険です。また、契約満期を迎えれば、死亡保障と同じ金額が支払われます。
満期を迎えてから受け取る場合には元本割れを起こす恐れがないころから、昔から人気のある保険です。しかし、満期を迎える前に途中解約すると、多くの商品では満額を受け取ることができません。
満期前の解約は元本割れする可能性が高い
養老保険は満期を迎えると、今まで支払った保険料と同じ、もしくはプラスアルファの金額が支払われます。そのため元本割れを起こす可能性はないので安心です。
しかし、満期を迎えるよりも前に解約をしてしまうと、保険会社によって率が異なりますが、元本割れを起こす可能性が非常に高くなります。
保険を解約する前に、まず保険会社に自分の保険の詳細に関して問い合わせてください。
かんぽ生命は会社規定の返戻率で計算される
かんぽ生命では、契約を途中解約すると会社既定の返戻率で返戻金が算出されます。
かんぽ生命の養老保険の契約書の中に、『会社の定める返戻率で契約期間により算出するため、多くの場合、支払った保険料の合計金額よりも少ない返戻金になる』という旨が記載されています。
また、契約期間が短いと返戻金がまったく受け取れない可能性もあるため、事前によく確認をしましょう。
解約が遅いほど返戻率が高くなることが多い
養老保険は、一般的に契約期間が長ければ長いほど損が少ないという傾向にあります。
多くの保険会社が販売する養老保険は、解約が遅くなるにつれ(満期に近い)会社の定める返戻率が高くなります。
できる限り損をせずに解約をしたい人は、保険会社に相談してみるのが得策です。
解約返戻金と税金について
それでは、養老保険を途中で解約して、解約返戻金を受け取った場合、自分の所得として確定申告をする必要があるのでしょうか?
通常、所得は課税対象とされます。しかし、保険の解約返戻金に関しては課税対象になる時と、非課税になる時に分かれます。
解約返戻金の税金に関しての知識を持たないと、確定申告漏れになる恐れもあるので注意が必要です。
ここでは、解約返戻金の課税と非課税について解説しましょう。
所得税は元本割れしていれば非課税
解約返戻金は、基本的には元本割れを起こすので非課税と考えて問題ありません。
所得税とは、利益が出た場合に支払うものなので、元本割れを起こした場合には税金を納める必要はありません。
しかし、支払った保険料の合計金額よりも多く解約返戻金が支払われた際には、税金を支払うための確定申告をしなければなりません。
税金は、解約返戻金全額に課税されるのではなく、解約返戻金から合計払込保険料と50万円を引いた額の半分に対してのみ課税されます。
贈与となる場合は金額により課税される
契約者が親で子供が受取人、または受取人が配偶者など、契約者と保険金の受取人が異なる場合には、贈与税の対象となる場合があります。
主に下記の場合には、贈与税の対象となります。
- 保険契約者と解約返戻金受取人が違う場合
- 保険料支払い者と解約返戻金受取人が違う場合
ただし、上記に当てはまるからと言って全ての人が贈与税を支払う必要はありません。贈与税には基礎控除という制度があり、1年間のうちに110万円までは非課税です。
法人が解約返戻金を受け取る時の経理処理
養老保険は、個人で契約するだけでなく会社が契約する保険商品としても人気があります
法人が契約者となって、会社の役員や従業員を被保険者として契約する養老保険は、会社の資産運用や資産形成ができるだけでなく、節税対策としても利用されます。
法人が養老保険の解約返戻金を受け取るときの経理処理は、保険積立金がある場合とない場合で異なります。
雑収入や雑損失で仕訳
保険積立金は、会社資産として計上されます。そのため保険積立金がある場合には、保険積立金と解約返礼金の差額によって仕分ける必要があります。
仕分けの方法は下記のとおりです。
- 保険積立金が解約返戻金よりも多い時は、雑損失として損金計上
- 保険積立金が解約返戻金よりも少ない時は、雑収入として益金計上
雑収入は消費税非課税なので注意しましょう。
保険積立金がない場合の仕訳
保険積立金が無い場合は、会社の資産計上されるものがないということになるので、支払った保険金の全額が損金計上されているはずです。
その場合、受け取った解約返戻金は全て雑収入として益金計上します。この場合の雑収入も、消費税は非課税です。
まとめ
養老保険は、満期を迎えれば元本割れをせず、万が一の時は保証も受けられる保険商品です。契約中に解約も可能ですが、タイミングを間違えると損失が大きくなるので注意してください。
また、契約者と受取人が異なる場合などには課税の対象となることもあるので、しっかりと理解をしたうえで解約手続きをしましょう。