家族葬には参列しても大丈夫?基本的なマナーを解説します

家族葬

最近は『家族葬』という形式の葬儀を耳にしますが、通常の葬儀とはどう違うのでしょうか。遺族として家族葬を執り行う場合の考え方や気をつける点、また家族葬に参列願いをされた時のマナーや断り方などを紹介します。

家族葬はどこまで声をかけるべきか

葬儀の形式もさまざまで、読経や焼香のない『無宗教葬』や故人の好きだった音楽を生演奏やCDで流す『音楽葬』などがあります。

遺族の負担が少ないことから人気が高まっている家族葬ですが、具体的にどこまでのつきあいの人に声をかけるべきなのでしょうか。

特に呼ぶべき範囲は決まってない

『家族葬』においては何等親までを呼ぶなどの決まりはありません。ご近所やお仕事関係の方は基本的には呼ばないことが多いようです。そのため、葬儀は11人~20人くらいが平均的な規模です。

普段からあまりおつきあいのない親戚の方などは呼ばなくても構いません。しかし、『家族葬』に呼ばれなかったことに対して不服とされないように、『故人の意志でうちうちの家族だけで行う』などの客観的な理由を用意して理解を得ておきましょう。

呼ぶかどうか迷った場合には、お呼びすることをおすすめします。後から「あの方を呼べば良かった」と後悔しても始まりません。相手の方にも「何故声をかけてくれなかったのか」と思われてしまう可能性があります。

生前の親交度合いで参列者を選ぶ手も

故人の友人で誰を呼べばいいのかは、更に頭を悩ませる問題になる場合も多いでしょう。この場合、生前故人とどのくらい深い親交があったかを選ぶ基準にすることをおすすめします。

故人が家族葬を希望した場合で友人を呼ぶことへの遺言がなかった、遺族が故人の友人について知らないといったような場合には、まったく呼ばないという選択もあります。

逆に、故人に親しい友人がいて遺族が見知っている場合は、参列をお願いしてみましょう。人生に影響を与えあったり、共に泣いたり笑ったりした友人は、お互いにかけがえのない存在です。友人も故人を見送りたいと思われることでしょう。

家族葬の通夜や葬儀、告別式について

家族葬は1日目に通夜、2日目に告別式を行う場合と、通夜なしで『一日葬』を行う場合があります。参列すべきか、遠慮すべきかはどこで判断すれば良いのでしょうか。

遺族の負担を考え参列は控える

家族葬に参列してほしいという時は、たいていは電話で直接伝えられる事が多いでしょう。どこからか内容を伝え聞いたとしても、遺族から直接連絡がない場合は参列を遠慮して欲しいということです。家族葬という葬儀のかたちを選んだ遺族の気持ちを尊重しましょう。

香典も極力控える

参列依頼が直接ない場合は、香典を贈ることもマナー違反になります。お供物や供花も同様の扱いになります。こういった物を贈ると遺族がお返しを用意しなくてはいけないので、控えることが無難です。

「以前に身内の葬儀にいただいたのでお返しをしないといけない」などと考える必要はありません。

参列依頼をされた場合は、香典は遺族の意向にあわせます。遺族から香典について遠慮したいという旨の姿勢を示されていなければ、通常の葬儀と同じ額を包みましょう。

弔意を伝えるなら弔電を

弔電に関しては、遺族側がお返しを用意するなどの負担はなく、お礼の言葉程度で済むので、特に断られていなければ送っても良いでしょう。斎場での葬儀の場合は、始まる前に着くようにしましょう。遺族のご自宅に送ることもできます。

注意したいのは、遺族からの知らせのなかで「香典やお供物など一切を辞退します」とあった場合です。『一切』の中には弔電も含まれると考えましょう。

どうしても遺族へのお悔やみの気持ちを伝えたい場合は、違う方法でお伝えするようにします。葬儀直後は遺族はさまざまなことに忙殺されます。1週間を過ぎた頃を目安に、手紙や電話でお悔やみを伝えるのも良いでしょう。

会社関係の家族葬には

遺族が会社に所属する社員の場合は、会社に『忌引き』の連絡をしなくてはならないため、自然と身内が死亡したことが社内に知られることになります。

連絡の際に『家族葬で葬儀を行う』旨を伝えても、会社側も参列していいのか、香典を送っていいのかなど対応に困ります。忌引きで欠勤連絡をする時には、必ず以下のことも伝えてください。

  • 『家族葬』であること
  • 参列は遠慮いただきたい/参列してほしい人には直接連絡する
  • 香典・弔電・供物・供花などの一切を辞退する/辞退しなくていいのならこの件に関しては触れない 

上司部下問わず基本は参列不可

参列依頼がない限り、故人が上司でも部下でも関係なく参列はできません。また、社員が喪主である場合にはお悔やみを言いたい気持ちもあるでしょうが、依頼がない限りは参列は遠慮しましょう。

香典については特に断りがない場合は、『会社代表』や『部署一同』などとして、葬儀直後から1週間以内を目途に遺族を訪問するか、社員が忌引き空けに出社したときなどに渡します。

取引先関係で『家族葬』の連絡を受けた場合、香典や弔電などを含めどのように対応したら良いか、まずは上司に相談しましょう。

参列願いがあった場合のみ参列する

社員のなかで特に故人と親しかったり、故人が特別に世話になったりした人がいる場合は、参列依頼をされることもあります。

その場合はお悔やみの気持ちを込めて参列しましょう。特に香典や供物などについての断りがない場合は、香典も持参します。

家族葬に参列しない場合の断り方

家族葬に参列願いを受けた際に、どうしても都合がつかず欠席するしかない場合もあります。葬儀というフォーマルな事柄ですので、お断りする時にも気遣いやマナーが重要です。

電話で参列辞退の旨を伝える

家族葬への参列願いは遺族から直接電話で連絡をもらうことがほとんどなので、すでに参列できないことがわかっている場合は、必ずその電話で伝えます。

後から不可能になった場合は、わかった時点でなるべく早く電話で連絡をするようにしましょう。

メールで訃報を受けた場合メールで返信

仕事関係や親戚関係における『家族葬』の参列願いは、電子メールで知らされることもあります。欠席しなくてはいけない場合は、返信メールにて簡潔に記します。とはいえ、肉声を伝えることができないため、素っ気なく受け取られないように注意しましょう。

また、あくまでもメールは略式のものです。葬儀が終わってからでも、直接お悔やみを伝えましょう。

参列辞退するときに伝えること

参列をお願いされて断る場合には以下のことを伝えるようにします。

  • お悔やみの言葉
  • 葬儀に出席できないことへのお詫び
  • 欠席理由

欠席の理由については、具体的な事柄を知らせる必要はありません。『やむを得ない事情で』とだけ伝えれば良いでしょう。もちろん、内容を伝えてもお互いに差し支えない場合は、具体的な理由を述べても構いません。

葬儀は欠席しても、遺族から香典などについての断りがない場合は弔電や供物などを送ることは可能です。

けれども、訃報を知らせる電話口にて参列を断る場合は、遺族側からは香典についてまでは触れられないことがほとんどです。念のため自分のほうから、香典や供物を受け付けてくれるかを聞いてみると良いでしょう。

まとめ

『家族葬』とは故人と水入らずの最後の時間を過ごすための新しいタイプの葬儀のかたちです。故人と特に親しい一部の遺族だけで行うもののため、基本的には仕事関係や近隣の人々の参列は受け付けてない場合がほとんどです。

参列願いがあった時にはお悔みの気持ちをもって参列してください。また、参列依頼がない場合は遠慮するのがマナーであると覚えておきましょう。

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