葬儀の花についての疑問解決。送りたい人からお返ししたい人まで

葬儀の基本

葬儀に用いられる花にはいろいろな種類がありますが、それぞれに贈るタイミングやマナーが違います。本記事では葬儀に用いられる花について、贈る際のマナーから金額の相場、贈られた側のお返しまでを徹底解説します。

葬儀に使われる花とは

枕花や供花など、葬儀に用いられる花には様々な種類がありますが、それぞれ贈るタイミングやマナーが異なります。故人を偲ぶための花ですから、遺族の方にも失礼にならないように贈りましょう。

ここでは葬儀に使われる花について、贈るマナーから相場、手配方法、贈られた側のお返しまでを解説していきます。花の形式は4種類ありますので、まずは順番に見ていきましょう。

枕花について

枕花(まくらばな)は、通夜の前から納棺するまでの間、故人の枕元に飾られる花のことです。故人と特に親しかった方やゆかりの深い方が贈ることが多く、一般的には亡くなった後すぐに枕元に手向けられます。

葬儀が終わるまで故人と遺族の気持ちに寄り添う花なので、盛花(もりはな)や籠花(かごばな)のような小さいスタイルで手配するのがマナーです。また、納棺の際にはご遺体の周りに枕花を並べ、棺の中に一緒に収める場合もあります。

供花、供華について

供花/供華(きょうか/くげ/くうげ)は、故人の供養のために式場や祭壇に供える花です。葬儀に参列する親族や、遠方で参列できない親族が贈ることが多いですが、親族以外でも故人と特に親しかった方が贈ることもあります。

供養とともに会場を飾ることを目的にしているので、会場のスペースや統一感を考えて贈るのも重要です。個人的に手配すると断られることもあるため、贈る際は事前に遺族の方に確認してみましょう。

その他、香典を辞退された葬儀の場においては、香典の代わりに供花を贈ることもあります。

花輪、花環について

花輪/花環は、スタンド付きの大きな丸い花の装飾です。開店祝いでもよく見られる花輪ですが、葬儀には白を基調とした色合いのものを贈ります。贈る側は個人より団体が多く、主に故人および喪主の勤務先や取引先などです。

意味合いは供花と同じで、個人の供養と式場を飾ることを目的としています。葬儀を行う地域によってデザインや大きさなどが異なるため、手配する前に葬儀社などへの確認が必要です。

また、近年では外観上の問題から花輪を禁止している斎場もあるので、贈って問題ないかについてもあわせて確認するようにしましょう。

献花について

献花は葬儀におけるキリスト教の風習で、神前や霊前へ花を捧げることを目的にしています。仏教でいえばお焼香にあたり、参列者が生花を1本ずつ故人に捧げるスタイルです。

現在ではキリスト教だけでなく無宗教の葬儀でも用いられることが多く、広い意味では『供花』や『枕花』も献花と呼べます。

花の種類と値段の相場

ここからは『実際に贈る花の種類』とその相場について紹介します。

定番は白い花を基調に

葬儀の際に贈る花に絶対的な決まりはないものの、棘のある花や血を連想させる『赤い花』は避けたほうが良いとされています。

定番は白を基調とした色合いの花です。白の他に紫・黄色・青・淡いピンクなども多く用いられます。

花の種類は、菊・百合・カラー・カーネーション・デルフィニウムなどが人気です。ただ『絶対にこの花にしなければならない』ということではなく、なにより大切にすべきは故人を悼む気持ちです。

故人が好きだった花でしたら、定番から離れても一向に構いません。その際、あらかじめ親族に断りを入れることを忘れないようにしましょう。

相場は種類によって様々

相場の目安としては以下のようになります。

  • 枕花:5,000~20,000円
  • 供花:7,000~20,000円
  • 花輪:10,000~20,000円
  • 献花:100~500円

ただし贈る花が生花の場合、季節や流通の状況により扱う品種が異なります。また、籠やスタンドなどのスタイルの違い、一基(いっき)や一対(いっつい)といった花の量や単位によっても価格に変動があります。

あくまでも上記の価格相場は目安として捉えておきましょう。

花の手配方法やお花代の渡し方

ここからは葬儀に使われるお花(特に供花)の手配方法や、参列時に生花代として贈る『お花代』の渡し方を紹介します。

供花の手配方法は、葬儀社にお願いするパターンと、ネットやお花屋さんで注文するパターンの2つが考えられます。それぞれメリット・デメリットがあるので、順番に見ていきましょう。

葬儀を執り行う葬儀社にお願いする

スムーズに供花の手配を済ませたいなら、葬儀を行う葬儀社を通して注文するのが一番です。時間に余裕がない時にも手配できますし、供花の種類も会場の雰囲気にあわせてセレクトしてくれます。宗教や地域ごとの慣習の違いにも対応可能です。

配送のタイミングとしては、お通夜なら午前中~通夜開始の3時間前くらい、葬儀なら前日に届くようにセッティングしましょう。

花屋やインターネットで注文する

花屋やインターネットで注文する際には、事前に葬儀社に連絡を取り、供花の持ち込みが可能かどうか聞いておく必要があります。

式場によっては専属契約を結んでいる花屋があるため、持ち込み料が必要な場合や、そもそも持ち込み自体が不可能な場合もあるからです

供花の持ち込みが可能な場合、実店舗ではなくネットで注文するようにしましょう。実店舗の場合、急に訪れても希望の花を揃えることが難しいためです。

ネットでの注文の際も、花の種類を会場のバランスに合わせたり、色味や形を地域ごとに合わせたりといった配慮が必要になります。

なお、配送のタイミングについては、葬儀社にお願いするパターンと同じで構いません。

お花代と香典は別に渡す

基本的には香典とお花代は別々に渡すのがマナーとなっています。香典は遺族の方へ渡すものですが、お花代は葬儀社やお花屋さんへ渡すものだからです。

香典の代わりにお花代を渡すことも

お花代は参列時に生花代として渡すものと、葬儀後に訃報を聞いた方が香典の代わりとして渡すものに分けられます。また、香典を遠慮する方も多い家族葬の際にも、故人とのゆかりの深さから『お花代』としてお悔みの気持ちを伝えることができます。

お渡しするお花代については、失礼にならないよう香典と同じくらいの金額を包むようにしましょう。

花をいただいた場合のお返しの仕方

香典とは違い、贈られた供花には基本的にお返しは必要ありません。故人や親族との関係性にもよりますが、一般的にはお礼状を送る程度で大丈夫とされています。その際、感謝の気持ちを伝えるためにも、お礼状はなるべく早く出すようにしましょう。

お礼状と一緒にお返しの品を渡す場合には、お菓子やお茶、ハンカチやタオルなどを選ぶのが無難です。お返しの品にかける金額としては、『供花と香典を合わせた金額の1/2~1/3程度』を相場としています。

また『お花代』に関してですが、こちらも香典返しのような返礼は基本的には不要とされています。

一般的なお返しの仕方

葬儀の際にいただいた供花のお礼は、基本的にはそれ単体ではなく、49日後にお返しする『香典返し』とあわせて贈るのがいいでしょう。

その際にかかる粗品の金額は、全体の相場としては『供花と香典を合わせた金額の1/2~1/3程度』です。この金額は故人との関係性によって異なります。

具体的には、故人のご友人には『半分返し』、身内や親族の方には1/3~1/4程度が相場とされています。身内や親族の方は故人への想いが強いため、その気持ちを受け取るといった意味でも全て返さないことがマナーに当たるからです。

会社からいただいた場合の返し方

会社からいただいた供花へのお礼は、基本的には上司や社長など、手配をしてくれた人たちにお礼を伝える程度で大丈夫です。

49日後の『香典返し』とあわせて贈るお礼の品は、香典の名義が会社名ならば『福利厚生』の括りの場合が多いので返礼不要です。名義が所属部署やチームの場合にはしっかりお返しをするのが礼儀と言えます。

また、特に高額な香典をいただいたのでなければ、正式な形の香典返しではなく、会社で開けられる個包装の菓子折りなどで構いません。

自社ではなく、仕事でお付き合いのある他社の方からいただいた場合には、香典に関係なくお礼の品を贈る必要があります。いただいた金額に見合った形で菓子折りなどを贈りましょう。その際、お礼の電話はもちろん、お礼状を送付するのがマナーです。

まとめ

葬儀の際に用いられる花は、いずれも故人を悼み、悲しみに暮れる親族に寄り添うものです。自身の想いをしっかり届けられるよう、香典や参列の作法はもちろん、葬儀のお花を手配する際にもきちんとマナーに気を配るようにしましょう。

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