葬儀の弔辞を孫ならではの言葉で伝えたい。例文とNG表現について

葬儀のマナー

葬儀で孫代表の挨拶を行うことが決まったら、あまりない機会に緊張する方も多いでしょう。しかし、孫として最後にできる祖父母への感謝の表しなので、あまりかしこまらずに素直な気持ちを伝えることが重要です。今回は葬儀の挨拶マナーや流れを紹介します。

孫ならではのお別れの挨拶をするために

祖父母にとって孫の存在は格別で、欲しがればいつでもお菓子をくれたり、豊富な人生経験をいかして知らないことを色々と教えてくれたり、可愛がってくれた思い出がたくさんあるという方も少なくないでしょう。

そんな祖父母との最後のお別れの時、孫代表として参列者の前で挨拶するとなると、何を話していいのか迷いますし、緊張してしまいます。

でも、葬儀のマナーを守っていれば、あまりかしこまらなくて大丈夫です。自分と祖父母の思い出話や、祖父母への感謝の気持ちが伝われば十分です。

時間や流れを喪主に確認しておく

一般的な仏式の葬儀は2日かけて行われます。納棺とお通夜が行われた翌日の午前中に挨拶が行われる事が多く、約3時間の間に分刻みでお焼香や火葬を行うので、事前に時間や流れを確認しておく事は重要です。

大体の流れを説明します。

時間式次第
9:00親族集合
9:30ご遺族・親族式場入場
9:55お寺様ご入場
10:00告別式開式
10:10喪主・遺族焼香
10:20会葬者焼香
10:40告別式閉式
10:45出棺準備・お別れの儀式
10:50出棺挨拶
11:00火葬場へ出発
11:20火葬
12:00収骨

弔辞(代表挨拶)は、お焼香の前後かお別れの儀式の時に行われる事が多く、司会者の案内で前に出て挨拶をします。事前にタイミングを知りたい場合は、司会や葬儀社に相談しておきましょう。

祖父母との思い出を中心に考える

孫代表の挨拶は、喪主や親族代表の挨拶のようにかしこまった文章ではなく、孫らしい少し砕けた文章でも構いません。

喪主や親族代表は故人の人柄や長所について話すことが多いですが、孫の場合は祖父母との思い出だけを話すだけでも問題ありません。

幼い頃の思い出、可愛がってもらったこと、言われて印象に残っていることなど、挨拶文と言うよりは、祖父母への手紙のような感覚で準備しておくと良いでしょう。

成人していても素直な言葉で伝える

成人していても、孫の立場は変わりませんし、参列者も孫の言葉として聞くので、多少幼い感じがあっても良いでしょう。

お葬式は悲しいイメージがありますが、弔辞を行う場面は、時に人を感動させます。義理ではなく、心のこもった素直な気持ちで祖父母に語りかけ、今までの感謝を伝える言葉にしましょう。

わかりやすいお別れの挨拶の流れ

弔辞は、400字詰めの原稿用紙2〜3枚分で、3〜5分程度で収めるのが良いとされます。

定型文は特にありませんが、一般的に3つの要素で構成されます。

  • 故人に呼びかけ
  • 故人との思い
  • 故人への別れの言葉

祖父母に呼びかける

まず、祖父母への呼びかけの言葉で始めます。出だしは、寂しい気持ちを素直に表現すると良いでしょう。

  • いなくなってしまい寂しい
  • もう会えない実感がわかない

祖父母との思い出

次に、参列者に故人の人柄が伝わるような思い出エピソードを話します。

  • こんなことを教えてくれた
  • こんなことをしてくれた
  • こんなことを話してくれた

何か1つでもいいので、心に残っている思い出を紹介します。

祖父母への別れの言葉

最後は、別れの言葉で挨拶を締めくくります。感謝の気持ちを込めて、故人を見送ってあげて下さい。

  • お疲れ様でした
  • 安らかにお眠りください

孫代表として挨拶を読むときに気を付けること

孫らしい砕けた文章でも、弔辞のマナーには気をつけましょう。挨拶をする時は、使ってはいけない言葉や、覚えておきたいマナーがいくつかあります。

忌み言葉・不快な言葉は使わない

繰り返し言葉や縁起の悪い言葉は、不快なことを連想させるため、使ってはいけません。

種類
繰り返し言葉いよいよ、重ね重ね、重々、くれぐれも、たびたび、次々、また、ますます 等
縁起の悪い言葉切る、離れる、九、四(苦しい、死ぬなどを意味する) 等

また、直接的な表現は避け、下記のように言い換えましょう。

種類
死んだお亡くなりになった、息を引き取られた、他界された
死去された逝去された
急死されて突然の事で
生きているうちにご生前、お元気な頃

宗教的な言葉は避ける

葬儀には、大きく分けて仏式、神式、キリスト教式の3種類があり、それぞれ異なったマナーがあるので確認しておきましょう。

宗派禁止用語理由
仏式特になし冥福は、仏教用語のひとつで、『あの世での幸福』をお祈りする意味があります。ただし、仏教でも浄土真宗では『冥福』は使用できないので注意しましょう。
神式冥福仏教用語の為、使用できません。
キリスト教式冥福、ご愁傷様、お悔やみ亡くなった信者は、神によって永遠の命を与えられるとするため、不幸ではないとされます。そのため、死を弔ったり、遺族を慰めたりする言葉は使用できません。

まとめ

弔辞は故人へ送る最後の言葉であり、感謝を伝える機会です。祖父母の旅立ちを見守る事は孫としての勤めであり、大切な儀式です。弔辞を依頼された場合には、挨拶のマナーを守ったうえで、心を込めて読みましょう。

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