葬儀が終わった後の挨拶は、親族、近所の方、職場の方などに、お礼を伝えるために重要なことです。マナーを守り、感謝の気持ちをしっかり伝えられるようにしましょう。今回は葬儀後の挨拶について、正しいマナーと文例を紹介していきます。
葬儀後の挨拶のタイミング
遺族は、葬儀が一段落した後もやるべきことがあります。それが葬儀後の挨拶です。
挨拶回りは、葬儀の翌日か翌々日に行うようにしましょう。遅くなっても、初七日までには伺うのがマナーです。ご近所の方や町内会の方など、近隣にお住まいの方には、葬儀の翌々日までに伺うようにします。
葬儀直後の場合、挨拶回りでもなるべく喪服を着用するようにしましょう。男性は、黒のネクタイを着用します。葬儀の翌々日以降に挨拶回りに伺う場合は、地味めの服装であれば問題ありません。
葬儀を手伝ってくれた方
葬儀をお手伝いいただいた方や、遺族のサポートをしてくださった方には、特に丁重にお礼をしましょう。地域によりけりですが、食事を提供したり、礼金を渡したりする場合もあるようです。事前に親しい人に地域の風習を確認しておきましょう。
また、忌明けに伺う際はお礼の品物を持って伺うのがマナーです。しかしながらあくまでもご近所同士の助け合いです。高価すぎるものは避けたほうが無難です。
弔電をくれた方
中には葬儀には参列できなかったけれど弔電を送ってくれた方、遠方から供物や供花を贈ってくれた方もいるかもしれません。遠方で挨拶回りに伺うことができない場合、お礼状を出すのが良いでしょう。
相手の心づかいに対して、自分自身の感謝の気持ちがしっかり伝わるように書くことがポイントです。
葬儀後の職場での挨拶
会社員の場合、一等親の親族の葬儀の際、以下のような配慮を受けることが多いです。
- 弔電
- 供花
- 会社からの香典
- 社員からの香典
- 慶弔休暇(会社によっては有給休暇の場合もあり)
葬儀後、こういった配慮について職場でもお礼を伝える必要があります。また、直接関わっていない社員の場合でも、自分が休んだことによって、何らかの迷惑を掛けている可能性もあります。なるべく一人一人に挨拶をしたほうが良いでしょう。
朝礼で挨拶をする場合
職場によっては「朝礼で一言挨拶するように」と指示される可能性もあります。
休暇をいただき、周りに迷惑をかけてしまったことは事実ですので、会社全体へ感謝の気持ちを持って話すようにしましょう。具体的に話す内容は以下の通りです。
- 慶弔休暇で職場に迷惑を掛けたことに関する詫び
- 香典や挨拶をいただいたことに関するお礼
- おわりに、今日から業務を精一杯行うという挨拶
朝礼では、社員全員の貴重な業務時間をいただいて話すのですから、伝えるべきことだけポイントを押さえて、手短に話しましょう。
同じ部署の人に挨拶をする場合
同じ部署に所属している人に対しては、一人一人に丁寧に挨拶を行うようにしましょう。
特に近しい親族の方を亡くしている場合、落ち込む気持ちはなかなか消えないものです。しかし、この挨拶では周囲に心配をかけないよう配慮することが望ましいです。
もちろん決して明るく挨拶をする必要はありません。迷惑をかけたことについて心を込めて、かつ手短に挨拶を行うようにしましょう。
他の部署の人に挨拶をする場合
他の部署の方でも、参列はしなかったけどお香典を供えてくれる方がいる場合もあります。そういった方には挨拶回りを行うようにしましょう。
業務時間内に挨拶回りを行う場合、挨拶回りを行いたい旨を上司に話し、了解を得てから行くようにしましょう。
挨拶が必要な人数次第では、出社した後でも長時間席に戻れずに、業務を行えない可能性があるからです。
葬儀後の挨拶の文例
次に、葬儀後の挨拶の文例について紹介します。丁寧にお礼を伝えるということが大切です。
葬儀に参列してくれた方への挨拶の文例
まずは、葬儀に参列してくれた方への挨拶の例文を紹介します。
遠方から参列して下さった方については、そのことについて触れることもポイントです。
例文
この度は●●死去に際し、御多用中にもかかわらず、遠路わざわざご会葬いただき誠にありがとうございました。また、葬儀中は混雑に紛れ、行き届かぬことばかりで申し訳ございませんでした。
職場での挨拶の文例
職場で挨拶をする場合は、休暇をいただいたことについてお詫びとお礼を伝えるようにしましょう。
例文
この度は○○死去に際し、弔電を頂き誠にありがとうございました。
また、仕事を休ませて頂き、ご迷惑とご心配をおかけし申し訳ございませんでした。本日から仕事に復帰し、業務に精進したい所存ですので、よろしくお願い致します。
礼状の文例
礼状については、手短な内容でも問題ありませんが、お礼の内容だけは丁寧に書くようにしましょう。また、親しい間柄の方でしたら、故人が生前どんな状態だったか等を伝えてもいいと思います。
例文
このたびの葬儀に際しまして、ご丁重なるご弔電を賜りまして誠にありがとうございました。おかげさまをもちまして、葬儀も無事に済ませることができました。心より御礼申し上げます。
まとめ
葬儀後には、お世話になった方々に挨拶回りを行うことが必要です。この挨拶をおろそかにしてしまうと、今後の関係に影響する可能性もあります。葬儀後にすべてが終わるわけではありませんので、マナーを守ってしっかりと感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。