突然の訃報があった時、お通夜にかけつけるにも準備をする時間があまりないこともあるでしょう。しかし、お悔やみの気持ちを伝える場で失礼があってはいけません。お通夜に必要な持ち物や、出席する際に気を付けたい持ち物について紹介します。
お通夜に必要な持ち物
お通夜には必ず持参しなければならない持ち物がありますが、その持ち物にもマナーがあります。お通夜に必要な持ち物と、それについて注意すべき点を紹介します。
不祝儀袋にお金を包んだ香典
お通夜に参列する際には香典を持参します。包むお金は、弔事の際には古いお札を使用するのがマナーです。新札を包むことは『あらかじめ弔事の準備をしていた』ととられてしまう可能性があるためです。もし手元に新札しかない場合は折り目をつけてから入れてください。
用意した香典は不祝儀袋に入れますが、不祝儀袋の表書きにはいろいろな種類があります。仏式か神式かなどがわからない場合は『御霊前』と書かれた不祝儀袋にしておけば安心です。
なお、故人と親しくしていた場合はお通夜・葬儀の両方に参列することがあります。その場合はお通夜の時に香典を持参し、葬儀では記帳するだけでOKです。
香典を包むふくさ
不祝儀袋に入れた香典を持参する際、そのまま裸で持つのはマナー違反です。かならずふくさに包んで持参しましょう。
ふくさには結婚式などの慶事用とお通夜や葬儀などの弔事用があります。弔事用には紺やグレーなどの寒色系を使用します。紫のふくさは慶事にも弔事にも使用できるので、用意しておくと便利です。
ふくさに包んだ香典は、女性の場合はバッグに、男性は喪服の内ポケットなどに入れましょう。
お通夜の場合は受付で香典を渡しますが、その際にはふくさから香典袋を出し、相手から表書きが読める向きにして渡すのがマナーです。
ご焼香で使う数珠
お通夜では親族に続いて参列者もご焼香を行います。その際に使用する数珠も忘れずに持参しましょう。
数珠の色などについては特に決まりはありません。自分の宗派に合った物や気に入った物を一つ用意しておけばOKです。一般的に女性用は珠が小さく、男性用は珠が大きいタイプが販売されています。
数珠を忘れたからと言って貸し借りをしてはいけません。数珠は持ち主の分身ともされ、仏と持ち主をつなぐ物です。もし数珠を忘れた場合は、持たずにご焼香しましょう。
自分が必要だと思うときに持参する物
お通夜に参列する時に必ず必要というわけではありませんが、故人や親族との関係性によっては持参した方が良い物もあります。
通夜見舞いとして渡すお菓子
故人や親族と特に親しくしていた場合、香典とは別に通夜見舞いを持参することもあります。持参する品物は2,000~3,000円程度のお菓子や、簡単につまめる軽食などが良いでしょう。
通夜見舞いには特にのしは必要ありませんので、失礼がないように包装のみしてもらい、そのまま「通夜見舞いです」とお伝えして、遺族に渡しましょう。
お通夜の後は一般的に通夜ぶるまいが行われ、遺族から参列者にお酒や食事がふるまわれます。軽食はこの時に一緒に出してもらうこともできますし、通夜の晩に夜通し付き添う遺族のための差し入れの意味合いもあります
気をつけるべき持ち物
お通夜では必要な持ち物もありますが、持って行かない方が良い物もあります。お通夜に出席する際の注意したい持ち物について紹介します。
男性はネクタイピンを外す
男性で普段ネクタイピンを使っている方もいますが、お通夜の際には外しましょう。お通夜や葬儀の場ではアクセサリーは厳禁です。
ネクタイピンだけでなくカフスボタンやポケットチーフなど、おしゃれ目的と見なされる小物類は、特に華美な物でなくても外すのがマナーです。
女性の派手なアクセサリーはNG
女性の場合、アクセサリー自体は付けても良いですが、注意しなければならない点があります。まず、結婚指輪は宝石の種類にかかわらず、つけたままでOKです。しかし、それ以外のアクセサリーはなるべく外しておくことをおすすめします。
付ける場合はネックレスのみとし、派手な物は避けてください。お通夜の席にふさわしいのはパールやオニキスなどです。2連のネックレスは『不幸が重なる』という意味にとらえられるため、必ず1連を選びましょう。
また、見逃しがちなのがヘアアクセサリーです。光る素材などは避け、黒一色のヘアアクセサリー以外は外して参列しましょう。
高校生はスマホに気をつける
最近では高校生もスマホを持っている人が多数ですが、お通夜の席ではスマホの取り扱いにも注意が必要です。
お通夜の最中にスマホが鳴り響くのはとても失礼な事ですので、電源は切っておきましょう。マナーモードにしておけばOKと考えるかもしれませんが、静かな場ではバイブ音も気になります。葬儀場に入る前に必ず電源を切ってください。
まとめ
お通夜は故人を悼むための場ですので、故人や親族に対して失礼がないように持ち物にも注意しなければいけません。必要な物は忘れずに持参することはもちろん、お通夜にふさわしいかどうか判断ができない物は持たないなど、臨機応変に対応してください。