葬儀に飾る花の種類で迷わない。失敗しない花の送り方

葬儀の基本

急な訃報を受けて、葬儀に花を送るという状況が大人になると増えてきます。どんな花を送れば良いのか、どんなマナーがあるのか、宗派によって異なるのかなど、意外と知らないものです。大人として、失礼のない振る舞いができるようにしましょう。

葬儀で飾る花の名称

葬儀で使う花は、用途に合わせていろんな種類があります。どのように使い分けられているのか確認しましょう。

故人の枕もとに飾る枕花

『枕花』と呼ばれる花は、故人と特に親しくしていた方が故人を慰めると同時に、お悔やみの気持ちを表現するために用意します。枕元に置かれることからこのような名称になっています。

一般的には百合・蘭・カーネーショ・カラーなどを使うことが多いです。種類は特に気にする必要はなく、白を基調とした淡い色合いの花が選ばれます。

また、最近では故人が生前好んでいた花の種類や色味を使う場合もあります。故人の顔のすぐ近くに飾るため、大きすぎて顔を隠してしまう花や棘のある花は選ばないようにしましょう。

葬儀会場や祭壇に飾る供花

『供花』は、故人と生前親しかった方、病気などやむを得ない事情で葬儀に出席できなかった方から故人を供養するために送られます。葬儀会場や祭壇などに飾られ、会場を華やかにします。

また、香典を辞退された葬儀の場合は、香典の代わりとして供花が送られることもあります。

供花はフラワースタンド・フラワーアレンジ・籠アレンジといった形で送られます。供花は宗教や地域で異なり、花輪を送ったり、常緑樹である樒(しきみ)を使ったりすることもあります。

供花は、一つを一基と数え二基をセットにして送るものでした。しかし、最近では会場の広さなどの理由から、一基のみで飾ることも増えてきました。

参列者が供える献花

キリスト教の葬儀では、祭壇や棺の中に花を供える『献花』が行われます。献花では白花が選ばれることが多く、茎がしっかりとした生花を使います。1本ずつ参列者から故人の近くに別れの言葉と共に添えられます。

花は葬儀場が前もって用意してくれるので、個人的に用意する必要はありません。

最近ではキリスト教ではなくても、献花を取り入れ、故人との最後のお別れをするケースもあります。

宗派で違う最適な花の種類

宗派によって使われる花は異なります。どんな花を用意すべきなのか確認してみましょう。

白い花や主に故人の好きな花を飾る仏教

仏式の葬儀では、菊・百合などの花がよく使われます。基本的に白色を選び、多くの場合生花が使われますが、ブリザードフラワーが使われる場合もあります。

また、最近では色や種類はこだわらず、故人が生前好んでいた花や思い出のある花などを祭壇に飾ることが増えてきました。

白や黄色の花を飾る神道

神道の葬儀では、仏式と同じく菊や百合の花などの花が使われます。神道では、そこに黄色などの淡い色が入るのが特徴です。

また、神道には、神饌物(しんせんぶつ)といって供花以外にも、塩・米・季節のもの・榊・仏式ではタブーの海産物などをお供えとすることもあります。

洋花の生花が主なキリスト教

カトリック・プロテスタント共に、百合・カーネーション・バラといった洋花の生花を用意するのが一般的です。色味は白以外にも青・ピンク・赤など、明るめの色を使います。

また、仏式の香典のような金銭を直接渡す習慣がない代わりに、メッセージカードを添えた花を故人の自宅に送ります。籠アレンジで送るのが定番で、十字架のアレンジやハートのアレンジなど関係性によって変わります。

葬儀に花を送る方法

故人の不幸を知ってから葬儀までは通常1日~2日とあまり時間がないことが多いです。どのように花を送れば良いのか説明します。

葬儀社や花屋へお願いする

葬儀社・花屋・ネットの方法で供花を送ることができます。この3つの中では葬儀社へ直接依頼するのが最も簡単な方法です。会場内の雰囲気にも合わせたものを用意してもらえます。

葬儀社へ依頼する場合、まずは葬儀会場に日程と喪家の名前を伝え、担当葬儀社名を調べます。その後、葬儀社へ直接連絡して供花を注文します。注文方法はFAXや電話などで、葬儀社によって対応は異なります。

故人の趣味に合わせた花を送りたい方は、花屋に直接注文したものを持ち込む方法もあります。しかし、その場合もあまりにも会場の雰囲気とかけ離れないよう、葬儀社に相談するのが無難です。

ネット注文する

ネットで花を注文される方も近年増えています。ネットでは写真で送る花のイメージを確認できますし、価格も明瞭です。到着時間の指定なども確実にできるので、電話をする暇のない忙しい方にはおすすめです。

ただし、葬儀社によってはほかの店舗で購入した供花の利用はできないこともあるので、ネットで購入する際は必ず事前に相談してから手配するようにしましょう。

まとめ

葬儀で用いる花は宗教や宗派・故人との関係性・会場の広さなど、さまざまな理由で種類や予算が変わります。故人を供養する気持ちも大切ですが、マナーを守り、受け取る遺族のことを考えて花を送るようにしましょう。

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