やむを得ない事情があり葬儀に行けない時は、どのような方法で先方にお伝えすればいいのでしょうか。葬儀日は遺族側にとって慌ただしい1日となります。確実に、且つ失礼のないように丁寧な言葉で伝えることが大切です。
葬儀に行けないときはどうすればいい?
葬儀は、結婚式や披露宴などの慶事よりも優先して参列するべきものです。生前お世話になった人との別れを偲ぶ最後の機会なので、なんとか都合をつけて参列するのが通常でしょう。
しかし、急な訃報を受け、どうしても葬儀に間に合わない場合や、やむを得ない事情がある場合、どう遺族に伝えるべきなのでしょうか。
電話をする
まずは電話で葬儀に参列できないことを伝えましょう。
メールなどがなかった時代、訃報は新聞の書面や電話で伝えることが一般的でした。特に電話は、相手と直接話すことができるため『確実』です。メールや電報のように『時差』がないところも利点と言えるでしょう。
もし、訃報や葬儀の連絡を電話でいただいた場合は、こちらからも電話で返事をするのがマナーです。
行けない理由の伝え方
葬儀に行けない理由は、仕事の都合、体調不良など様々です。遺族にお話しする時は、行けない理由を詳細に伝える必要はなく、「やむを得ない事情があり…」というふうに言葉を添える程度でOKです。
その際、「生前は大変お世話になりました」や「心よりお悔やみ申し上げます」というような遺族と故人に配慮した言葉を付け加えましょう。
葬儀に出られないからといって、周囲の人にとやかく言われることはありません。『参列できず残念』という気持ちや、心からの『お悔みの気持ち』を伝えるような表現をしましょう。
電話では長々と話をせず、必要なことを端的に述べるのが理想です。
言ってはいけない言葉
葬儀では、死や不幸を連想させる言葉や数字など、使ってはいけない『忌み言葉』があります。代表的なものをいくつか紹介します。
- 重ね重ね・たびたび・ますます・いよいよ・くれぐれ
- 再三・繰り返し・追って・再び
- 消える・死ぬ・落ちる・大変
- 数字の4・9
代表的なのが「たびたび」のような『重ね言葉』です。不幸が重なることを連想させるため、話し言葉はもちろん、書面で伝える際も注意が必要です。
また、忌み言葉ではありませんが、「いつまでもくよくよしないで」とか「元気を出して頑張って」という前向きな言葉は、逆に遺族にプレッシャーをかけることになります。遺族と話をする際は、細心の注意を払うようにして下さい。
ちなみに、キリスト教の場合は、『成仏』や『供養』という言葉は使いません。相手の属する宗教にあった言葉を選びましょう。
葬儀に行けない場合の弔慰の伝え方
電話はタイムリーに相手と話ができる利点はあるものの、遺族が忙しくしていることを考えると、故人の冥福を祈る気持ちやお悔みの気持ちを長々と話すことは好ましくありません。
電話以外の方法で、弔意を伝える方法を紹介します。
弔電を打つ
お通夜、葬儀ともに出席できない時は、弔電を打って、お悔みの気持ちを伝えましょう。
『弔電』は、電報サービスの一種です。NTTやKDDIなどの電話会社に電話かインターネットで申し込みをすると、原則的には、当日中の配達が可能です。
料金は、1,500円~5,000円と、文字数や使用する台紙の種類によって異なり、プリザードフラワーや線香などが添えられる弔電も用意されています。
お通夜前までに『葬儀が執り行われる会場』に送ることがほとんどですが、相手が確実に受け取れるように、場所・時間帯などの確認をすることも必要です。
手紙やメールを出す
相手から訃報をメールや手紙でもらった際は、電話ではなく、メールや手紙で返信することが可能です。メールでの挨拶は正式ではない『略式』のため、『取り急ぎ連絡をする』といった意味合いが強いです。
特に、会社・ビジネスの関係者など、広く、多くの人に訃報を出さなければならない時は、メールが用いられます。お悔みをメールで出す時は、前置きなどをせず、要件とお悔やみの言葉を手短に伝えるようにして下さい。
また、お悔みの手紙は、派手な色や模様を避けたシンプルな便箋を使い、初七日までに出すようにしましょう。
葬儀の後に弔問することはできる?
葬儀に参列できない場合は、遺族の都合を伺い、葬儀の後に弔問することも可能です。葬儀とは違ったマナーや注意点があることを覚えておきましょう。
後日弔問する際気をつけたいこと
葬儀が終わった直後は遺族もホッと一息つきたい頃です。弔問する際は、必ず遺族に確認をとり、急な訪問は避けて下さい。大体、四十九日までに弔問するのが好ましいと言えます。
葬儀以外の弔問は、平服を着用するのが基本です。派手な色や過度な露出を避けたワンピースやアンサンブル、スーツスタイルがよいでしょう。
訪問時は、自分から家にあげて欲しいと申し出ず、まずは玄関で挨拶をして下さい。遺族から勧められた時のみ、お線香をあげさせてもらいましょう。
香典の渡し方
香典はあらかじめ袱紗に包んでおきます。玄関先で香典を渡す場合は、袱紗から香典を取り出し、直接遺族にお渡しして下さい。
もし、線香をあげて欲しいと勧められた場合は、香典は遺族に直接渡さず、祭壇にお供えする形となります。
祭壇で拝礼した後、香典を一度頭の上にかざしてからお供えします。香典袋は名前を自分の方に向けて置くようにしましょう。
まとめ
葬儀に参列できないからと言って、遺族にとがめられることはありませんが、最後のお別れに参列できなかったことを悔やむ気持ちは自分の中に残るものです。心からの弔意を伝え、故人の冥福を祈りましょう。