持ち家の名義変更の正しい変更手続き方法は?必要書類や費用について

老後のお金

亡くなった親族の持ち家を相続するときや、生前に自宅を子どもに贈与したいときなどは、不動産所有者の名義変更が必要です。ここでは、持ち家を相続するときの名義変更手続きについて、必要な書類や費用をご紹介します。

持ち家の名義変更、どういう時に必要?

不動産の所有者が変わり、名義を変更することを『名義変更登記』といいます。変更の理由が相続による場合は『相続登記』と呼ぶこともあります。

相続時以外にも生前に不動産を贈与したり、財産分与を不動産で行ったりする場合は名義変更登記が必要です。

名義変更は必ず必要?

親の持ち家を相続してそのまま住み続けている間は、名義変更の必要性を感じないかもしれません。しかし、名義変更をしないとその後の管理が難しくなります。

特に相続した不動産を売却したい場合、故人の名義のままでは売却できないので、相続登記が必要になります。

また、万が一名義変更をする前に相続人が亡くなったりすると余計に面倒なこととなるので、名義変更は早めに行うようにしましょう。

名義変更はいつまでにするべき?

法律上では、名義変更に期限はありません。遺産相続、生前贈与、財産分与の場合も同じです。

しかし、先にも述べたように名義変更を行わないと売買ができないので、早めに手続きをしておくにこしたことはありません。

持ち家の名義変更は自分でできる?

名義変更の手続き自体はそれほど難しくありませんので、自分で行うことも可能です。自分で手続きを行えば、専門家に手続きを依頼する費用も抑えることができます。

しかし、変更する不動産の数が多い場合や複数の相続人で共有したい場合などは、書類に記入する内容が複雑になります。記入内容が間違っていると法務局の窓口で受け付けてもらえませんので、最初から専門家である司法書士に頼るほうが効率が良いでしょう。

また、法務局の窓口は平日しか開いていませんので、休みを取りにくいという方も司法書士に依頼したほうがスムーズです。

名義変更する場合の必要書類

名義変更をするには、さまざまな書類を揃える必要があります。また、相続か贈与かといった登記理由によっても必要書類は異なります。さらに印鑑証明書は3カ月以内など、有効期間がある書類も多いので注意してください。

1つでも欠けると受け付けてもらえませんので、詳しいことは事前に法務局に問い合わせるか、司法書士に相談しましょう。

贈与による名義変更の場合

持ち家を生前に贈与する場合は、以下の書類が必要になります。

  • 贈与をする人の登記済権利証および印鑑証明書(3カ月以内のもの)
  • 贈与を受ける人の住民票
  • 固定資産評価証明書(最新年度のもの)
  • 贈与契約書
  • 贈与による所有権移転登記申請書(法務局にあります)

固定資産評価証明書は、市区町村窓口で発行してもらえます。発行には本人確認書類と手数料(400円前後)が必要です。

贈与契約書は自分で作成することもできますが、できれば弁護士に依頼して確実なものを作成しておきましょう。

財産分与による名義変更の場合

離婚などで財産を分与したことによる名義変更の場合は、以下の書類が必要になります。

  • 財産分与をした人の印鑑証明書
  • 財産分与を受けた人の住民票
  • 財産分与の内容が分かる書類(財産分与協議書など)
  • 離婚の記載のある戸籍謄本(離婚の場合)
  • 財産分与による所有権移転登記申請書

遺産相続による名義変更の場合

遺産相続の場合は下記の書類に加えて、遺産分割協議書、印鑑証明書、遺言書などが必要となる場合があります。相続人の人数分揃えなければならない書類もあるので、時間に余裕を持って手続きを進めてください。

  • 被相続人(亡くなった方)の住民票の除票、戸籍謄本(出生から死亡時まで記載のもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 新名義人の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 所有権移転登記申請書(相続)

名義変更にかかる費用は?

名義変更の手続きにかかる費用のほとんどは、法務局や市区町村窓口で書類を発行してもらうための手数料と登録免許税です。

手続きを司法書士に依頼する場合は、その報酬がプラスされます。

自分で手続きをした場合

自分で手続きを行う場合、費用は以下の実費のみとなります。

  • 戸籍謄本・住民票・固定資産評価証明書などの書類発行手数料(あわせて数千円)
  • 登録免許税(固定資産税の1000分の4)
  • 法務局や市区町村窓口に行くための交通費、取り寄せの送料など

『登録免許税』とは聞きなれない言葉ですが、不動産の登記を行うときに納める税金のことで、いわゆる『登記代』です。事前に金融機関で納付しておき、手続き時に領収書を登記の申請書に貼って提出します。

司法書士に頼んだ場合

自分で手続きするのが不安な場合や、時間に余裕がない場合は専門家である司法書士に依頼するのがおすすめです。

報酬は、依頼の内容や事務所により違います。登記申請書の作成だけなら3万円程度、書類の取り寄せから登録免許税の納付まで、全てお任せするなら8万円前後が目安となります。

名義変更する不動産が複数あったり、土地と建物の所有者が違っていたりなど複雑な内容となる場合は、追加料金が発生します。具体的な内容は直接相談して、見積もり金額を出してもらうようにしましょう。

まとめ

持ち家の名義変更は自分でも手続きできる程度なので、さほど難しくはないといえますが、期限が決まっていないうえに揃える書類が多いため、つい後回しにしてしまいがちです。

ただし、売却などを考えているなら早めに手続きをしておきたいもの。司法書士に依頼することも念頭に、手続きにかかる時間や費用を検討してみましょう。

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